「男人四十」

恋はやはり、遠い日の花火か?

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さて、お待ちかね(笑)。ひさびさの學友主演映画を観ましての感想です。
この映画、撮影に入る前から楽しみにしていて(去年の夏のことですな)風の噂で
「學友が先生役らしい」「生徒との恋愛モノらしい」などと聞くたびに全身全霊でその情景を想像してはハゲシく萌えまくっていたのですが、年末に黄磊にコロッとイっちゃってからは頭の中から學友のことはスッポーンと見事に抜け落ち、それまで自分が何に萌えていたのかも全く記憶にございません…な痴呆状態に陥ってしまいましたので、ようやくこの映画にお目にかかった時にはすでに何の思い入れもない非常ぉーにフラットな状態で鑑賞できました…

感想…なかなか書きにくい映画なんですよね。ちょっと難しい、っていうか。
映画としてどうだったかというと「とてもマトモ」と言えるのかもしれないけど、個人的には、正直なトコちょっとテーマが重くて(つか、ラチもなくて)、あんまり観たいタイプの映画ではなかったです。
この映画のテーマ…それは「加齢」(爆)。
もうね、これって紛れもなくある程度の年齢を重ねた人間が一時期陥る焦燥と模索のドラマなんだと思うのだけど。どう?
アタシ、こう見えてもエイジングコンプレックス抱えてる女だかんね。キツー…と思いましたよ。學友がこの役、ってのもまた妙にリアルで。

學友が若い女生徒(カレーナ・ラムね)と恋におちる映画だと思ってウヒウヒしてたらば、全然違った。
學友は確かにカレーナと付き合うのだけど、それ、恋じゃないんですよ。だから、全然萌えない。
學友はカレーナ自身のことなんか全然見てないの。カレーナを通して「若い日の女房(女房役は梅姐ね。)」を見ているのね。
でも、じゃ、梅姐に恋してるのか?っていったらそれも違う。
學友は「若い日の女房」越しに、「若い日の自分」を見ている。
若い日の自分と、自分の叶わなかった恋(相手そのものではなく)を見ている。ずーーっと。それは彼にとって「失われた楽園」なのだね。
つまり、學友はカレーナに「若さそのもの」を見ている。彼女の若さ(のみ)に惹かれてるのかも。ある種、麻薬みたいな感じで。
でね、それってなんとなくわかるのね。そういうのって、あるだろうなぁ…ってのが。
恋じゃないんだけど、恋みたいに錯覚してしまう若さへの乾き、みたいな。このまま枯れるのは悲しいという想いが根っこには有り。


でもって學友は「詩に恋をしてる」んです。
これはマジで恋してる。ちょっと文学オタク。
だから、梅姐への想いだって、青春時代に心震わせた詩とともにあって、常に心にそれはワンパックで存在してて、相乗効果で昂揚してる部分もあり。
でもってそこにはその詩を教えてくれた恩師の姿も同時にあって…その恩師ってのが、若き日の梅姐が恋していた(子供まで身ごもっちゃった)相手だ、っつーね。
自分の恋した相手が恋してるのが自分の恋する詩を教えてくれた相手。
つまりこの學友の「漠然とした恋の想い」というのは、ストレートでなくて、何層もの曰く言い難い感情の起伏が重なって多層構造化されてて、ものすごく形而上的な部分までイっちゃってんのね。
だから、萌えない(笑)。観念的すぎて。
その茫漠たる想いを、學友は結局は詩の世界に戻しちゃってるんですよね。
だからなおさら、もう「想いは大河の一滴」みたいな(笑)。
李白の詩で人生語ろうとする男と化してます。


梅姐もカレーナもちゃんと自分の立っている場所がわかってる。すごく現実的。それに、彼女たちは形而上の世界には逃げない。
梅姐は老いて寂しくなった恩師(昔、自分を捨てた男)の最後を看取ることに決めて、ちゃんと自分なりの義を通そうとするし、カレーナも、學友は決して自分に恋することはないだろうと諦めながらも、それでいいと思いながら若い情熱を秘めて近づいてゆく。
學友はその女たちの自己矜持がわかんない。
なくした玩具を探し続けるばかりの男人四十。
男の40歳って、こんなんかもな(笑)。←差別発言

以上。感想でした。ごめんなさい、すごく意味不明かもしれない、この感想。
カレーナは巧いのかどうだかよくわかんなかったけど、いつも揺れてて(カラダがゆーらゆーらしてんの)なんだか気持ち悪かった。酔いそうで。
先生役としての學友は、思ったとおりに素敵でした。
でも、あんな風に自信のない先生はやっぱ生徒にもナメられるっつーことで(笑)、誰も授業聞いてないでやんの。頑張れセンセー!
先生といっても黄磊センセとはタイプ違いな感じですね。優しいのは断然、學友先生だろうね。エラソーな誰かさんとは大違い(笑)。(そのエラソーなトコが好きなんだけどもさっ)
あ、付け足しのように言うのはナンですが、映像はやっぱすごく綺麗でした。表現も秀逸。
夕暮れ、雨の匂い、蒸し暑い暑い午後…と、登場人物の心象と体感される外界の空気が良く溶け合っていて。やっぱアン・ホイって巧すぎ。メチャクチャ好きです、アン・ホイ。

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トッポイ兄ぃちゃん役ばかりやってたのに、いつのまにかこんな先生役も似合うようになってる學友。飾らなさが活きてます。ジャスト・ア・公務員。

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カレーナは學友先生が好き。だからいつも先生の前では揺れている(笑)。先生は気づかないフリ。根本的に溶け合わない二人の空気が重いのよ…これがまた。