「ディナーラッシュ」

 

ディナーラッシュ スペシャル・エディション [DVD]
 

 おいしい食事と音楽と、交わす会話と暖かな灯り。
一夜のレストランには幸福な人生が凝縮してるかのよう。
厨房の匂いが階下から漂ってきそうな臨場感。

イタリアンレストランを舞台にした群像劇です。
とってもお洒落で、小品ながらもきっちりと職人の味を感じさせる作品でした。
なんつーか、こういう映画見てる自分、ってのはちょっと意外でもあるね~(笑)。放っておけば絶対に見ないタイプの作品だもん。
つまり「シネスイッチ銀座」「スター無し」「イタリアン」「料理モノ」...とりあえずオールパス!って感じなんだもんね(^^;;)。
でもまぁ、映画鑑賞人として信頼を寄せている方々からお薦めされたので、半信半疑ながら見てみたわけです。で、結論。
「食わず嫌いはやめましょう」。
普段はあまりヒトの言うことも聞かないほうなのですが、たまにはヒトの薦めに従ってみるのもいいなぁ~!なんてね、思いましたよ!ホント、いい映画でした。

思うにこういう映画に注目する人ってインテリだと思う。
「映画的」かつ「構造的」な部分で映画を楽しめる人のための映画、って気がします。
群像劇なのに各人の個性がきっちり出てるし。とにかく巧い。
脚本はテンポが良くて舞台劇でも通用しそう。
時間も空間も移動の少ないシチュエーション使ってるし、ウェートレスと画商の会話なんかは言語的にすでに芝居っぽかったね。
ウィットに富んでて、セリフの一つ一つがそれを言う人の個性を示してる。無駄がない。だからあれだけ人数が多くても各人の個性がちゃんと見える。
なにはともあれ、観て良かったです。不思議な時間を過ごせました。お腹すいちゃったけど!

映画の舞台となったレストラン「ジジーノ」は、ニューヨークのトライベッカ地区に実際にあるそうです。
で、ここはこの映画の監督:ボブ・ジラルディがオーナーなんだって。要するに勝手知ったる我が家での撮影だったわけね(笑)。撮影期間はわずか21日間だそうで…それでこんな小気味のいい作品ができるんだから、才能だね。


若き天才シェフでオーナーの息子役のエドアルド・バレリーニはすごくカッコ良かったです。
狐のような目が印象的。でも、恋愛対象として惚れるようなカッコよさでなくて、ああなりたいなぁ~っていうカッコよさなのですー(私にとっては、って話ですよ(笑))。
一方、惚れそうだったのは謎のウォール街リーマンね!
出てきたときからあのトンチンカンなネクタイが気になって気になって。
一人、始終涼しい顔で傍観者をキメこんでいたのに...最後のコイツの粋っぷりにはクラクラ。淡々とした日常の中にふっと紛れ込んだこういうドラマ性が強烈なスパイスとなってる。
一番「何も抱えてなさそうな人」が、一番「謎」だった、っていう…
てなわけで、シェフよりリーマンにやっぱ持ってかれちゃうアタシなのでした。

あー、それから。野村祐人にちょっと似てると噂だったカーク・アセヴェドは、60%ニコラス・ケイジで、30%東野幸治で、9.5%スティーブ・ヴシェミで、ゆーじんは0.5%ってトコでしたね(笑)。
ダニー・アイエロはいつも通りのダニー・アイエロ。