「海は見ていた」

 

海は見ていた [DVD]

海は見ていた [DVD]

  • 発売日: 2003/01/22
  • メディア: DVD
 

 この映画、黒澤明が94年に脚本を完成して撮影寸前まで準備が進められていたにも関わらず、制作費の関連などで断念せざるを得なかったのを、2002年に熊井啓監督のもとで作った作品です。
ここのとこ江戸モノに凝っていて山本周五郎を読んでいた関係で、ふと気になった映画だったのでした(原作は山本周五郎の「なんの花か散る」「つゆのひぬま」)。
黒澤監督の脚本(というか、絵コンテの方かな)がとてもしっかりと残されていたおかげもあり、素晴らしい画(え)になってます。
見惚れます、本当に。
期待しないで観たので、予想以上の内容にとても得した気分になりました。
これほど濃厚な江戸深川の空気感を、よく表現できたなぁーと。
そればかりがただただ感動。
黒澤明って、ケタ違いだなぁ、とあらためて思う。
ちなみにラブストーリーです。つらいことや悲しいこともあるんだけど、基本のところにポッカーンと明るい晴れた空のような感覚のある作品で、微笑ましいです。
人間、捨てたもんじゃありませんよ・・・という温かな目線がイイですね。
演じる人もみんな味がありました。
花のように愛らしい遠藤凪子。清水美砂の粋。石橋蓮司は季節を抱えてやってくる。吉岡秀隆の秀逸な無垢の罪。永瀬正敏はいつもながら。