「人はなぜ学歴にこだわるのか。」

 

 小田嶋隆・著(メディアワークス
表題のとおりの思いがあるためにすごく興味深く思って手にとりました。面白かったです。
それは著者の小田嶋さんが、現象としての「なぜ」の分析ではなく、「なぜ」という諦めのような呆れのような個人的な葛藤とずっと戦ってきた実感の記録になってるからなのだと思う。
それでも彼は早稲田卒なんだけど。
いいじゃん。早稲田なんだから。
とか思っちゃうんだけど。
でも、そんな私の思いまでも小田嶋さんにはきっと通じる。
この本に書いてあることは学歴という移動可能な階級の構造(と、幻想)になぜか縛られている人間の話。ものすごいタブーかもしんないような…そんな境地に踏み入っている。刺激的。なかなか思ってても書けないことばかり。
それはもちろん、中卒が悪くて一流大がイイだのって短絡的なことじゃ全然なくて、自分にとってその学歴がどんな意味をもってるか、ってとこから始まる話です。
そこにどんな拘泥があるか。
それは赤裸々で恥ずかしく、隠しておきたい話でもあるし、弁解のためにあえて言いたい話でもあるし、気にしない人にとってはなにをくだらないことを?ってな呆れる話でもあるわけで。複雑で根深い。

でもね、身に染みてこんな同類がいることにホッとしました。同じようなしょうもないことを考えてる人って、いるんだなぁーって。
こんな狭量でバカバカしい「ものさし」を持っている悲しさは、けれどどうしても拭えない。私はそういう、学歴にこだわる個人史を持っちゃってる。
なんかねー、もうその意識が骨の髄まで浸透してて、きっと一生かかっても払拭できないだろうっていう自信がありますもん。全ては個人の抱えるものの違いに拠るんでしょうな。
それにしてもやっぱりこんなことにこだわっているのは不毛には違いなく。
30過ぎてまで学歴の話題って…ねぇ。馬鹿の証拠じゃん。…というのを、ホントは悲しむべきところ、小田嶋さんは笑えるノリで書いてます。多少自嘲気味に(笑)。そこが救われます。こういう話は自分を棚に上げてやってほしくないんで。