子供とネット

ところで。長崎の事件の続きですが…っていうか、本当のところ全然関係ない話なのかもしれないんだけど。
マスコミの論調では今回の事件に関してインターネットやHPというキーワードが頻繁に現れてそれはいったい子供にとってどうなのか?と危惧されてますね。
それってどう思います?
いまや携帯電話もパソコンも日常の一部だから…という意見もあるようですが、私は危惧すべきだと思ってる。
子供にネットは使いこなせない。ムリ、と断言していいと思う。
それはパソコン操作のスキルの問題ではなくて、世界観の問題というか。
いい大人でもネットの世界をスキルだと思ってる人がいるけど(スキルさえあればHPなんて作れると簡単に考えてるようですが)、ここは「もう一つの世界」であり、すでに使用言語が違う異界なんですよね。大人でさえそこを混同してしまう人が多いのに、子供ならなおさらだよな、と思うのです。

インターネットには良い側面以上に悪い側面がとてつもなく大きく存在してることを、IT音痴の人ほど知らない。その怖さをよくわかってない。
容赦なく押し寄せる悪意、匿名の暴力性、仮想人格の複雑さ、情報開示の怖さ、文字だけでのやりとりに伴う膨大な誤解と齟齬の繰り返し…いい加減慣れてるつもりの大人でも鬱になる時があるほど煩雑で暴力的な世界。

こないだ、ウチの娘が小学館学年誌HPを見ていて突然憮然として「HPって嫌い。ヤダ。」と言って席を離れたので「どうしたの?」とパソコン覗いたんだよね。(このサイト自体は子供用のブックマークに入っていて、いつでも見たい時は閲覧できるようにしてあるものです)
そこは学年誌のキャラクターに関する読者用アンケートBBSだったんだけど、どうやらその書き込みに邪悪な雰囲気を嗅ぎ取ったらしいのです。
ハンドルネームのところに「123456」とか(要するになげやりなハンドルが)書いてあって、内容を書き込む欄には何も書いていない、という書き込みが連続で5回ほど投稿されていた。
大人からすると、別に何かヘンなことが書いてあるわけでもないし、「これがなに?」って感じなんだけど、小4の娘にはショックだったのです。
好きなキャラクターのページに無言電話のような「悪意」というか、違和感があるのを感じたんだと思う。
文字「だけ」しかない、表情も空気感もないPCの画面の向こうには、文字に込められた雰囲気だけが情報の全てとしてあるのです。
言い訳を言うよりも先に心に言葉が刺さってくる。何気ない言葉でも、とらえる人間によって様々に表情を変える。たとえ「冗談」でも、表情や口調の伴わない文字では、冗談にならないことがザラにある。

小学生相手のサイトだという自覚の上で運営されているであろうそのサイトの管理者でもたぶん気がつかないような、些細な齟齬。
それでも子供はキャッチし、心に影を落とす。それほどまでに子供って敏感なんだよね。
「ネットではこういうこともある、あなたが傷つくことは何もないのだよ」、とじっくり話して聞かせたけど…なんか、怖いなぁと思ったよ。
こっちはスレてるもんだから(笑)、娘の思いがけない反応に驚いて、逆にナーバスになったりもした。このくらいでも子供ってビクッと身構えてしまうんだ、と思ったら、とてもじゃないけどネットなんて危険すぎるもん。
子供にインターネットをさせるなら、徹底的な監視が必要だと思う。
きちんとネットの言語をわかった人の監視だったらもっといい。
いきなり大海原の真ん中に放り出したら溺れてしまう。

HPだって、子供がやることじゃないと思う。なにせ開かれ具合が違う。
誰が見ているかわからない、という実感は、子供には持ちにくいと思う。
小学生が夢を持って、純真な気持ちでHPを作っても、それが悪用されることがあたりまえのようによくあるのがネットの世界なわけで。
小学生のHPばかり回って画像を集めてはえげつないアイコラ作ったりしてるヤツなんかザラにいる。ネタにもされる。同じような小学生の振りして「オトモダチになろう!」なんて書き込んでくるロリコンオヤジはウヨウヨいるし、半ズボンの小学生の画像だけ集めているショタの腐女子もゴロゴロいるんだ、きっと想像以上に。それは秋葉原あたりを小一時間歩けばすぐわかる。
彼らは「消費」することしか考えていない。消費される側のことなど考えない。他者を己のストレスのはけ口にすることに何の罪悪感も持たない。
そういう魑魅魍魎のいる世界に、子供がついてくのは到底ムリだし、そんな異界があることなどは少なくとも義務教育中の子供達には見せてはいけないのだと思う。

大人だって2ちゃんねるあたりをみてショック受けちゃうような人はざらにいるもんね。
あれをショックだと思うのは正常な感受性ですけどね、もちろん。
でも、それではネットの世界で上手に泳げないんじゃないかなぁーと感じる。
ある意味「すれっからし」じゃないと、ネットなんてできない。独特の「耐性」を養わないと。
でもってそれって案外時間がかかるんですよね。私もいまだに完全じゃない。
パソコン通信世代で、書き込みに関してのネチケ(って言葉も最近あまり聞かないね)を叩き込まれた私らでも、インターネットの世界はついて行きにくい。いまだに怖いと思うことがよくある。
書き込み一つで気分が上がったり下がったりする率はパソ通の比ではないし。
そして何より大事なのが、そのスレた感覚を、ネットの外にまで延長して持ち込まない割り切り方というか・・・、バランス感覚を持つことなんだと思う。その「使い分け」は子供にはまずムリだ。

どうしたって簡単な世界ではないよね。簡単でない世界が「世の普通」になるのはホントは怖い事なのかも。
とはいえ、いまやネットは必需品だということは確かなんだから、避けるより使いこなす方が大事だ。
子供に与える前に、早急に大人がネットに精通する事が必要な気がする。
この時代、いい大人がいつまでもIT音痴じゃ、子供を守れないよ。