スローガン風な

昨日ここで「無援の抒情」のことを書いたら気になってしまって、久しぶりに取り出して読みふけりました。
その中で、一昨日ここに書いた内容に似たこと…人は日常の中に少しずつ齟齬を溶け込ませてゆくということ(知らないうちに戦時下にいる、というふうに)に対する警鐘を詠っている歌がありました。


異常が日常に溶け込む際の一瞬を青年の眼よ見逃すなかれ

 

なんだか歌というよりスローガンのような。
本来だったらこういう歌は私は好きじゃないのです。短歌としては邪道だとも思う。
でも、「無援の抒情」の場合は、ちょっと違うんですよね。
この歌集はそのものが全共闘時代の学生を描いていて、彼らの存在感というのはスローガンも大きく関与しているものだから、こうしたお題目のような「言葉繰り」が時代の象徴や彼らの体臭となりえるのではないかと思えるからです。
私が当時の学生だったら、もしかして弁が立ったろうなーと妄想してみたりします。ロジックかき回すのだけは大好きなので。
でも、精神的に諦めやすいタイプなので、政治も闘争もはやばやと見切ってしまい、文学とか芸術とかの世界に引きこもってしまっただろう、とも思う。同時代に生きていないのでわかりませんが。
一度、あの時代に青春を生きてみたかったなぁ…と、どこか憧れをもっています。