『1950 鋼の第7中隊』(長津湖)

TOHOシネマズ日比谷に『1950 鋼の第7中隊』を見に行ってきました。

まさか日本に来ると思っていなかった『長津湖』が、映画祭でも何でもなく劇場で一般公開されると聞いたときは驚きました。
今の日本でこの作品を公開しても、はたして集客は見込めるのか?中共プロパガンダ映画だと敬遠されるだろうし、なんなら千璽が国策俳優として括られてしまったらどうしよう…なんて、ビクビクしたりして。
実際はごくフラットで超ド級の純粋戦争映画ですし、問題になるような作品では全然ないんですけどね。でも、見もしないでいろいろ言う人はいるのです。

まぁ、フタを開けてみれば何のことはない、ほぼ話題にならないので懸念も杞憂となりました。そりゃそうか。映画館も、初日の次の日の土曜日、ファーストディで料金もお得だというのに、がらんとした客入りでした。中国での集客を思うと、別次元的です。

この作品は、国からの豊富な資金の投入に加え、軍隊の人員や設備も全面的に協力して作られている明らかな国策映画です。
国策といえば敵側を酷く描き、祖国賛美に満ちているというイメージがありますが、そういう雰囲気はありません。もちろん自虐でもないので、それなりに祖国賛美はありますが、ごく自然なもののように感じます。万里の長城が目の前にどわーーッと広がるシーンなどを「祖国賛美」などと言ってるむきもあるようですが、そんなこと言ってたら今後日本映画で富士山を映すこともできなくなります。ただの言いがかり。
この万里の長城のシーンは圧巻でした。DVDで見た時は、それほどの印象は無かったのですが、大きなスクリーンで見ると全く違いましたね。この長城の雄大な姿は、本当に美しかった。この風景に想いを抱く多くの人の胸に響いたことと思います。一番好きなシーンでした。
戦闘の経緯などは、ほぼ事実そのままをエキセントリックにならずに描いているので、日本人(この戦争で言えば敵対する連合国側)から見ても、バランスを欠いているようには感じないだろうと思います。
今の中国は旧来の仮想敵ありきの愛国作品を作るポジションにはすでになくて、前代未聞の人材と技術とお金をありったけつぎ込んで、桁違いの戦争映画を作ることができる国(それだけ資本も人材もあるぞ)ということを広報する意味でのプロパガンダというフェーズに移行してるのだ思います。
今の中国のエンタメを作る力は、とんでもなく強大ですよ。それは興味を持って見ている側からすると、もはや常識です。圧倒的な資金力ばかりではなく、クリエイターたちの意識も高い。能力のある人材も多く、これからもっと増えてゆくでしょう。でも、そんなことを知らない日本人が多い。すごく古いイメージで捉えていたりするのでビックリすることがあります。そこを正しく知る事は、いろんな意味で大事だと思うんですがね。

こちら、以前書いた感想です。映画館で見ても、大方同じ感想を抱きました。二度同じことは書きませんので、こちらをご参考に。

 

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帰りの新幹線で遅い夕食を食べるの図です。夕方5時から3時間の上映時間(戦闘時間)を経て、ぐったりしながらの帰宅となりました。

パンフレットにいろいろと面白いことが載ってましたよ。
プロデューサーの于冬曰く

「3人の監督は皆、千璽をすごく気に入って、全員が今後自分の映画に起用したいと言ってた」と。なんでも、千璽は監督たちが予期せぬ方法でキャラクターを演じるので、皆さん大いに驚いていたとのことです。たくさんの引き出しを思いっきり惜しみなく出したんだなぁ。千璽の懸命さが伝わってくるエピソードです。

監督のツイ・ハーク曰く「千璽のキャラクターの演じ分けは本当に驚く。一本の映画の中でも始まりと終わりの心理変化を演じ分けていて凄い」と。皆さん大絶賛です!
チェン・カイコーダンテ・ラムツイ・ハークの大御所三監督のうち、誰が最初に千璽にオファーをくれるのか、楽しみに待ちましょう!できればチェン・カイコーで人間ドラマを演じて欲しいなぁと思います。心の襞が何層も重なってるようなやつね。
でもホント、こんなドンパチ映画であれだけの表現ができる千璽はトンデモないですよ。凄い。これは見なけりゃわかんない。内容はキツいけど、千璽の演技はホントに見る価値があるので、気になる方はぜひご覧ください!

続編の『長津湖之水門橋』も、邦題『1950 水門橋決戦』として12月に公開が決定いたしました!この映画は続編はおまけではなくて、二本併せて観て初めて完結するので、続編を見るのはマストです。

 

前に載せてなかった現地公開時のポスター(千璽のね!)二種類。

公式サイト

1950-movie.com


日本公開版予告編

www.youtube.com


続編の感想もついでに載せておきます。

 

 

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